クライアントとのトラブル 

2016/03/26

はじめに
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フリーランスは誰も守ってくれない
自身を守り仕事を進めていくためにも、回避できるトラブルは早めの対処する。
フリーランス自身も責任を持った仕事と、適正な報酬をやりとりする世界にしていくことが必要です。

全部自分でやらなきゃならない
フリーランスは自分で営業から事務までこなし自分の遭遇したトラブルも自分自身で乗り越えていかなければなりません。
フリーランスになると会社員時代には他の担当者がいた「営業」「経理」などの業務も自分自身でこなす必要が発生します。
会社員であればトラブルに遭遇したときに会社に蓄積されている、
さまざまなノウハウや周りの人の助けで、トラブルを乗り越えることができます。
トラブルに遭わないためには「自分を守る」意識が大切
フリーランスは仕事を依頼されて進めるという関係上、あまり強くない立場にいるといえるでしょう。
フリーランスにとっては契約をスムーズに、自分自身で完結させることも仕事の一つなのです。
そのすべてが理不尽な要求や、報酬未払いになるケースといった不幸なケースとは言えないまでも、クライアントとのちょっとした意識の違いが問題に発展することも多くあります。
「平均以上の値下げ要求」や「短納期の案件」はトラブルの元となりやすいので、より詳細な打ち合わせをすることがおススメです。

トラブル内容の上位は「お金」と「品質」と「納期」
フリーランスをしていると、約束していた仕事が急に無くなったり、報酬がなかなか支払われないということがあります。
企業がフリーランスのWEBデザイナーを使用する場合どのような思惑があるのか相手の立場になって考えるとトラブルを回避することができます。

安価な案件ほどトラブルが多い
WEBサイトとWEBデザイナーへの理解があまりないことが原因。
良いウェブサイトも作り、成果を上げるためには最低限の経費がかかることを打ち合わせで相互に納得することが必要です。
最初のお客様だからとサービスをし過ぎると最終的に赤字になることもあります。
修正依頼がページ追加が多発して普段の業務に支障出ますし安価な案件ほどクライアントはあまりコンテンツの内容を考えずに依頼をします。

フリーランスは奴隷ではない
フリーランスは基本的に「仕事をもらう」もの。
当然、報酬を支払ってくれるクライアントがいなければ成立しません。
仕事を依頼されて進めるという関係上、あまり強くない立場にいるといえる。

高額報酬を提示して提案だけ吸い上げてキャンセル、その提案を使ってもっと安値で即日依頼
1件でも提案が来ていればキャンセルはしませんよという確約です。
受注を希望する側は、依頼者が「採用確約」「選定確約」オプションをつけているか確認する。

トラブルを事前に防ぐには
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トラブルから自分を守るために
トラブルをできるだけ防ぐためには事前にしっかりとした契約書を交わしておくことが重要です。
「業務の内容や仕様」「報酬額」「支払い方法」「支払い期日」「損害賠償の範囲」などを決めておくことで、トラブルを未然に防ぐ効果があります。
文書化されることで、お互いの思い違いや勘違いを防ぐこともできます。
また、万が一の場合に備えて「違約金」や「瑕疵担保責任」についてもきちんと記載されているか、記載がなければ追加してもらうように依頼するほうが双方のためになります。

事前に信用できるクライアントかどうかチェックする
会社の連絡先やHPに記載されている内容などから、実態のあるビジネスを行っているかどうかは最低限、確認しなければいけないポイントです。
今はインターネットを介することで、一度もクライアントと会わずに仕事を行うこともできますが、極力担当者と一度顔を合わせ、会社訪問をしておいた方がクライアントの雰囲気やビジネスの規模感が分かって安心でしょう。
もし遠隔地で会社訪問ができないときは、Google Mapのストリートビュー機能を使って、住所から会社の外観を確認するだけでも様子が分かります。
また会社名で検索をかければ、過去にトラブルを起こしている会社の場合、何らかの口コミや評判についての書き込みが見つかることもあります。
インターネットの情報がすべてではありませんが、何か怪しい雰囲気を感じたときは参考までに検索してみると良いでしょう。

報・連・相はきちんと行う
些細なことでも、報告・連絡・相談はきちんと行なう。
クライアントとのトラブルが起きやすい原因の一つとして「『報・連・相』が足りない」こともあげられます。
何か起こってから連絡するのではなく、業務の進捗や確認事項の連絡を適宜行うだけでもクライアントの信頼は変わってくるものです。
何かあってからは遅いため少し心配性なくらい聞いても良いかもしれません。
相手が忙しい場合は「後にしてほしい」と言われ、それだけでもコミュニケーションが図れます。
また、きちんと報告・連絡・相談を行うことにより、問題点を発見して業務改善になる場合もあります。
そうなれば、クライアントにとっても喜ばしいことですので、ご自身の評価が上がります。

やりとりの記録は保管しておく
契約書を交わしていない取引で未払いが起こったときのために、クライアントとやりとりしたメールは保存・印刷しておきましょう。
電話の場合は通話記録を残しておくのもおすすめです。
打ち合わせのメールや資料などは後で証拠となりますので、最低でも報酬の支払いが完了するまでは、必ず残しておく。

契約書を交わし
知人の紹介や昔からのお付き合いであることを理由に、契約書を交わさず仕事をしているフリーランスも多いのではないでしょうか。
契約書を交わさないのが通例になっている業界もあり、逆に契約書について話を切り出すと煙たがられることもあるようです。
長いお付き合いでも機会を見つけて、改めて契約書を取り交わしてもらえるよう交渉してみましょう。

内容を十分に把握しておく
またクライアントから提示された契約書の場合は、内容の熟考が必要です。
特に支払い方法や支払い期限についての項目はよく読んでおきましょう。

”全部”の定義を揃えるところからはじめる。
あらかじめ質問しないでもいいくらいの知識もしくは準備ができているのは大切なことである。
良いクライアントさんだけど、頭の中でカタチができていないという場合もある。
それを手伝うのもウェブ屋のしごとの1つ。
もちろん企画から携わることになるので値段は上がる。
もしくはクライアントに最低限の知識を持ってもらう必要がある。


関わりたいクライアント
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仕事は相手を信用するところからはじまる。


安全なクライアントとは

何をするのかが明確であること。
仕事の役割分担が決まっていること。

よくわかっていないクライアントの特徴
・予算はあらかた低い。サイトが5万円で出来るという。
デザインの作成/提案・サイトマップ/コンテンツの計画・写真データの購入及び撮影・ライティング・キャッチコピー作成・メールの設定・公開後の更新/メンテナンス・SEO対策・facebookページの使い方の説明・ウェブ解析全部込みだと思っている。
サーバー費用・ドメイン費用・SSL・写真・ライティングは全て無料だと思っている。
修正は24時間365日無償で対応すべきものだと思っている。
wordpressの使い方の説明が無料。
1日で終わる仕事は10000円。

甘い罠
他に案件があるから紹介したいなどという甘い言葉で無茶難題をしかけてくる。
しかし95%以上の確率で地雷クライアントからの紹介は発生しない。
地雷から紹介がきたら地雷が増えるだけである。

ディレクターという調整役の不在が問題
服屋でも帽子屋でもきっと相談にのってくれます。
車屋さんにいけば、自分にぴったりの車はどれかと言えば喜んで相談にのってくれる。
クライアントはwebのことがわからないから仕事を頼んでる
それも至極当然でありそれを解決するのがweb屋。

確認事項
・サーバーの有無
・ドメインの有無
・サイトマップ
・ページ数
・素材の有無
・コンテンツテキストは誰が用意する
結局誰かが聞かなきゃいけないことををはっきりさせる。

良いクライアントとは
かなり具体的な提案をしてみる

金銭トラブル
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報酬が税込か税別か
仕事に対する報酬をもらう際に、税込か税別かをきちんと明確にしておきましょう。
もし明確にしておかない場合は、税込で支払われる場合が多いです。
また、年収1000万円を超えないフリーランスには消費税を納めなくても良いと税務署が言っているため、エージェント会社では「税込です」と言われることが多いです。
その場合は、事前に確認し、税込みの金額に直して交渉してみても良いかもしれません。

移動や出張が発生する場合は交通費・宿泊費の有無も明確にする
仕事の打ち合わせで別の場所に移動する場合や、出張が入る場合がありますので、その際は交通費や宿泊費が出るのかと、支払い方法をきちんと確認し、明確にしておきましょう。

 

納期トラブル
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料金と作業工数でのトラブル
WEBデザインのリテラシーが高くないため数と料金で揉めることがあります。
たとえテキスト編集は無料でやってほしいバナーも無料で作って欲しいなどです。
一度でも無料で引き受けてしまうとその手のお願いが増えてきますのでキッチリ料金を明示する必要があります。
打ち合わせで決まった作業に加えて追加で仕事内容を入れられたりと、ウェブサイトを作っている最中に見積もり外の要求を無料で追加してほしいとの相談もよくあります。
契約に関して電話やミーティングなどの口約束でスタートすると言った言わないの悪循環になりますので、作業を始める前にドキュメントを作成してお互いの確認を取ってからデザインを始めましょう。
フリーランスは、仕事をする時間を自分で自由に設定できるのが最大のメリット。
しかし、それだけにスケジュール管理をキチンとしなければなりません。
仕事がいくつも重なったり、思ったよりも難易度が高い仕事で時間がかかったり、体調を崩しても、納期を守らなければならないのがフリーランスの宿命です。
スケジュールはもちろん、体調もしっかりとセルフマネジメントをして、納期までの余裕を十分に保ちながら、仕事を進めることが大切です。
それでも、どうしても納期を守れそうにないと思ったら、早め早めにクライアントに相談しましょう。
納期間際になってから「間に合いません」などということは、決してあってはならないことです。信用を失うだけでなく、場合によっては損害賠償を請求されるということにもなりかねません。

破格でお願いされる
駆け出しのころはともかく、基本的に無料や想定額より著しく低い報酬で仕事を依頼されたら断るほうがいい。
もちろん、自分の勉強になる、どうしてもやりたいなど、なにかモチベーションを保てるところがあるなら引き受けるのも悪くありません。
あまりに安い額を掲示するクライアントは、その後も安い価格で取引を依頼されるかもしれません。
対処方法としては、希望する額をきちんと伝える。
最初の取引きなどで実績がないため安い価格を提示されているのであれば、納得いく記事を書いた場合には報酬アップをしてもらう約束を取り付けましょう。
何とかなりそうなら、そのまま進めても問題ありませんが、
手に追えないという場合は早めに見切りをつけるのも大切です。

わからないまま進めないこと。
明確に「引き受けます!」と言う前に、何をどうするのかクリアにしておくのが大切です。
そこまで辿りつけないなら断る。
そのまま進めてしまい、クライアントが発注者を確定した後に「やっぱりできません」と断るのはマナー違反。
一度引き受けた後で断った場合はもちろん、質の低い記事を書いてしまったら、クライアントへの迷惑だけでなく、フリーランスとして自分自身の評価・評判を落とすことにもつながります。

後から後から注文がくる
これはよくある話。きちんと後から余計な作業がでないよう、手戻りがないよう細心の注意を払って進行していても、まだこれ追加、やっぱこれなし……そんな場合もあります。
ある程度の変更や修正は想定内ですが、度が過ぎる場合はきちんと言うようにする
相手に言われるままに修正を続けていると、いつまでもゴールにたどり着けません。
最初の契約で、こちらに落ち度のない場合の追加は○つまで、修正は△回までと決めてしまうのもよいでしょう

交渉を行なう
実際に不透明なままアプローチしてくるクライアント様も存在していますので、先方から単価の提示がなかった場合には、あなたから単価の交渉を行ないましょう。
その上で納得行かないのであれば、丁重にご辞退の旨を伝える。
ただし、実績が不十分なままで高額な提案ばかりを行なってしまうと、固定のクライアント様がつきにくくなります。
フリーランスとして駆け出しの時期にはある程度の妥協は必要ですので、ご自身の力量をよく把握して、希望単価を設定しましょう。
コツとしては、ジワジワと単価を高額に移行させて行く事。

バックアップファイルを作成しておく
慣れてくるほどにおろそかになりがちです。
必要なファイルはその都度忘れずに保存しておく。
はじめてのクライアント様の場合では信頼関係が築けていない状態ですので、いきなりパソコンの不具合…ということになると、あなたの信用そのものに傷がついてしまうことも考えられます。
そのようなことにならないためにも、きちんとバックアップファイルを作成し、安心できる環境で案件をこなして行く。

損害賠償を請求されてしまった
納品したものの品質や納期遅れによって、クライアントから高額な損害賠償を請求されるということもあり得る。
このようなトラブルを防ぐためには、契約段階で「損害賠償の限度額は受注金額の範囲内とする」などの項目を盛り込んでおくことをおすすめします。損害賠償に関する書類が届いたような場合には、早めに弁護士や法テラスなどに相談する。

報酬について
作業締め日と、支払日、支払い方法を明確にしておきましょう。
支払日は下請法により「60日以内かつ出来るだけ短い期間内」と定められております。
支払いサイト60日の場合は、休日前倒しかを確認してください。
ひと月の日数が30日もしくは31日ある場合や、月末が休日の場合は、60日以内という下請法が違法になりますので、支払いサイト60日の場合は、最低でも休日が前倒しかを確認しておきましょう。

 

契約書
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契約書を交わす
自分の身は契約で守る
的確な業務委託契約書の作成と契約内容への理解は、自分の身を守ることにつながります。
準委任契約であるにもかかわらず、契約期間を明記しなかったことで案件の完了まで無償で期間延長しなければならなくなった
損害賠償の上限を定めなかったことで、不慮の自体で多額の賠償金を請求された
などという、大きな事故につながる危険を未然に防ぐためにも、契約書で事前にコンセンサスを取っておきましょう。
契約内容に疑問があれば、実際の業務上ではどういったシチュエーションが想定されるかを考えながら、クライアントと相談し受注の前にクリアにしておきましょう。
フリーランスにとっては契約をスムーズに、自分自身で完結させることも仕事の一つ。
事前にしっかりとした契約書を交わしておくことが重要です。
「業務の内容や仕様」「報酬額」「支払い方法」「支払い期日」「損害賠償の範囲」などを決めておくことで、トラブルを未然に防ぐ効果があります。
文書化されることで、お互いの思い違いや勘違いを防ぐこともできます。
また、万が一の場合に備えて「違約金」や「瑕疵担保責任」についてもきちんと記載されているか、記載がなければ追加してもらうように依頼するほうが双方のためになります。
契約書を交わせない場合には、打ち合わせのメールや資料などは後で証拠となりますので、最低でも報酬の支払いが完了するまでは、必ず残しておく。
契約内容があいまいだったため、クライアントへ金額を請求できず泣き寝入り。
エンジニアは、あまりクライアントとのやり取りをした経験が無かったため、契約書は取り交わさず、口頭レベルで作業内容の確認を行いました。
そして、依頼されていた構築作業が終わり、納品を行ったところ、「このままインフラの運用もお願いしたい」という依頼がありました。
エンジニアは、そこまでの作業は想定していなかったため、依頼を断ろうとしたところ、「以前送ったメールには、運用までお願いすると記載していた」と言うのです。
改めて作業前のメールを確認したところ、主な依頼内容が書かれた本文の下に、たしかに記載がありました。

どんな相手であれ契約書は作成する
あなたと契約するクライアントがどんな方であっても、あなたが行うべき作業が記載された契約書は必ず作成しましょう。
上記の事例のように、「作業が担当範囲か、否か」という判断は、契約書に記載された内容を基準に判断します。
その判断材料が無いと、「言った・言わない」の応酬になってしまい、クライアントとの良好な関係を築くことができません。
絶対に交わさなければいけないものではありませんが、トラブルを防ぐためにも契約を交わすことは必須です。
言った・言わないの口約束で仕事を始めてしまい後々トラブルになるケースがあります。

追加依頼は契約は毎回きちんと交わす
お得意様から紹介されたクライアントだから、となあなあに…
それでもなんとか期日までに納品し、とりあえずC会社の担当と追加業務に関しても請求を行おうと試みます。
しかし答えは「当初の契約時に出された見積書の分しか支払えない。
仕様変更の対応も料金に含まれていると思っていた」。
今までB商事との取引の際には、仕様変更などの対応は追加発注というのが暗黙の了解で有ったため、そもそもC会社に対し「何をもって納品とするか、修正対応などの追加料金はどう発生するか」といった点を説明することがおろそかになっていました。
結局Aさんは何度もC会社に掛け合いますが、今後のB商事との関係を考えるとあまり執拗に食い下がることもできず、最終的に追加の工程に関する請求は泣き寝入りとなってしまったのです。
上記の例の場合、なんといっても契約書をきちんと交わしていないことが最も問題です。
フリーランスの場合、慣れない作業であることから、ついつい後回しにしたり、先方から提示された条件を深く確認せず契約書に判を押してしまったり…というケースが目立ちます。
特に先方から提示された契約書には、「追加報酬の支払い条件」などの面でフリーランスが不利になりうる内容が書かれていることも少なくありません。
何度も変更や修正が入り膨大な手間と時間がかかったにも関わらず基本報酬しか手元に入らなかった
これらは事前に契約条件や条件面などの詳細を口約束してしまったために起こります。
フリーランスと企業の双方を守るために大事な書類ですのできちんと契約書は交わしましょう。
これが、すでに信頼関係を築いていて問題がない間柄だったとしても、何かあったときでは遅いので、契約書を交わす癖をつけておく。

 

業務委託契約書の記載内容
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業務委託契約書の記載内容
業務委託契約書の内容は法的に定められておらずクライアントとの協議で決まります。
フリーランスは業務委託契約書の内容を正しく理解し、自身にとって不利がないか、問題が発生したときに振り返るための項目は揃っているのかをチェックする必要があります。
ここでは一般的な記載内容についてご説明します。
・業務内容
・報酬金額、税金
・貸与物品の取り扱いや賠償
・納入物の納入・検収・引渡
・瑕疵担保責任
・権利保障・帰属
・機密保持
・個人情報
・損害賠償
・やむを得ない場合

業務委託契約書
「業務委託契約」は一般的には「請負契約」「委任契約(準委任契約)」という2種類の契約形態の総称です。
フリーランスが企業から仕事を受注する際は通常、業務委託契約を結びます。
業務委託契約に関する正しい知識を身につけることは、トラブルを回避することにつながります。

業務委託契約を締結する目的
フリーランスと企業間の取引を正当化するのが、この契約の目的です。
フリーランスの取引にまつわるトラブルは、往々にしてクライアントとの認識の違いで発生します。
「言った、言ってない」という水掛け論になる前に、双方が承認をした取り決めを業務委託契約書という形で、明文化しておきましょう。
そうすることで、何か問題が発生したときに、この業務委託契約書に則って対処ができるので、大きなトラブルに発展せずに済みます。

業務委託内容
委託される業務内容とその範囲を明記します。事前にクライアントとすり合わせを行い、限りなく具体的に記載するのが理想的です。また、契約が「委任契約」「請負契約」どちらになるのかも記載しておくと良いでしょう。(両者の違いについて、詳しくは後述します。)

報酬・費用負担に関する内容
報酬額や支払い方法、支払い日についての記載も重要な項目です。あわせて、業務に関わる費用(交通費・資料代など)をフリーランス・企業のどちらが負担するかについても定めておくべきです。

契約期間・契約更新に関する内容
契約開始日・契約終了日についても曖昧にせず明記します。
契約更新がある場合は、延長される期間、更新条件についてもあわせて記載します。

瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、納品後に開発者のミスで予期せぬ不具合が生じた場合に対応に応じることです。
一般的には「90日以内の場合は無償で修正に応じる」と設定されていることが多いです。
期間を記載の際は、プラスして「ただし初期的な欠陥や制作者側に原因がある不具合の場合に限る」などの文言を入れ、クライアント側ですでに手を加えたものは除きますということを明確にしておきましょう。

基本的に5~7日間と記載することが多いです。
また、修正依頼が来る場合は他の自分の仕事が滞ってしまう可能性があるため、「無償で対応する場合は○回まで、その後別途料金発生」などと付け加えておいて、事前にやり取りの手間を減らしておくようにしましょう。
無償修正の回数が書いてあれば、クライアントも不要なお金をかけたくないため、無意味な修正依頼を出すことが無くなります。
特に開発が入るエンジニアは”納入物の納入・検収・引渡”と” 瑕疵担保責任”を注意しましょう。
自分自身の手間と時間が減ってしまううえ、理不尽な修正依頼が来ることを事前に防ぐためです。

機密保持
仕事で知りえた内容について第三者に漏らさないようにすることを定めます。
広告を出していないのに発売前に商品情報がSNSに上がった等、第三者の目にとまったり、ライバル企業に情報を漏らされたなどのトラブルをよく耳にします。
こういったトラブルになりうる事態を防ぐためにも、企業側から項目を作成してほしいという依頼が来ることが多いので、気を付けておきましょう。
フリーランス側は、業務上で知ることになる企業の情報を外部に漏らさないように義務づけられます。

同様に企業側も、フリーランスの個人情報を機密保持する必要があります。
業務委託契約書には、どちらの義務も明記されていることが望ましいです。

個人情報
機密保持に少し似ていますが、こちらはフリーランスご自身の情報を漏えいされないようにします。
マイナンバーの取り扱いや、他の人に聞かれた場合は答えないようにしてほしい等を明記しておきましょう。
もしくは「個人情報が必要な場合は本人に必ず確認する」という文言を入れておいても良いでしょう。

損害賠償
納期に間に合わなかった、機密情報を流出させた、といった想像しうる契約違反に関して、損害賠償の範囲を定めておくと良いでしょう。
契約違反や、情報漏洩等で何かしらトラブルが起きた時に支払わなくてはいけない賠償金を明記しておきましょう。
明記していないと、割に合わない金額を請求される場合もあります。
基本的には「契約金額を上限とする」もしくは「甲乙協議のうえで定める」という文言を入れておきます。
自分で作成する場合は、どちらかを明記してください。
また、企業やエージェントが用意する場合は、「契約金額を上限とする」もしくは「甲乙協議のうえで定める」のどちらかがきちんと明記されているかを確認し、されていない場合は修正依頼を出すようにしましょう。
うしても納期を守れそうにないと思ったら、早め早めにクライアントに相談しましょう。
納期間際になってから「間に合いません」などということは、決してあってはならないことです。
信用を失うだけでなく、場合によっては損害賠償を請求されるということにもなりかねません。
納品したものの品質や納期遅れによって、クライアントから高額な損害賠償を請求されるということもあり得るトラブルです。
このようなトラブルを防ぐためには、契約段階で「損害賠償の限度額は受注金額の範囲内とする」などの項目を盛り込んでおくことをおすすめします。
もし弁護士を通じて、損害賠償に関する書類が届いたような場合には、早めに弁護士や法テラスなどに相談するのが良いでしょう。

知的財産権に関する内容
業務を通じて生み出された知的財産権が、業務中、または業務終了後どちらの所在になるか明記しておきましょう。

やむを得ない場合
天災や不慮の事故、疾病や家族の不幸などのやむを得ない場合で業務が遅延したり完了できなかったり、途中で契約を辞めざるを得なくなった場合に、双方の話し合いによりどうするかを明記してください。
その際に、「やむを得ない場合は速やかに責任者に報告する」と「双方話し合いの元対応を定める」と明記しておきましょう。

権利保障・帰属を確認
明記しておかないと、二次利用されてしまいます。
二次利用以外にも著作財産権などの著作権に関する様々な交渉があります。
商標権登録などの一方的な権利主張が起きないよう、企業と平等になるような文言にしておきましょう。

 

相談場所
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フリーランスの先輩から学ぶ
多くのフリーランスが経験したトラブルは、多くのフリーランスが乗り越えてきたトラブル。
過去に事例があるトラブルであれば、対処方法を参考にできますので、まずは、多くのフリーランスが経験した代表的なトラブル事例と効果的な対処方法調べる。

周囲の信頼できる人に相談する
話しているうちに客観的に考えることができ、自分で解決方法を見つけることができる場合もありますし、外部の専門的な第三者に相談することもできます。

外部の相談できる専門家や公的機関に相談する
法律的な問題であれば弁護士、税務的な問題であれば税理士が相談にのってくれます。
また、地域の商工会議所で相談窓口を設けている場合もあります。

法テラスに相談
未払い金の回収で法的手段に出る、と言っても何かと複雑でよく分からないことだらけです。
そのようなときは、法務省が所管となっている公的な法人「法テラス(日本司法支援センター)」に相談してみる方法もあります。
法テラスは無料の法律相談や、相談機関・団体の紹介を行っていて、今後、どのような方法でトラブルを解決すれば良いのかアドバイスをくれるところです。
とにかく自分ではどうして良いのか分からない、というときには、身近な相談窓口として利用してみると良いでしょう。残念ですがフリーランスを使うだけ使ってお金を支払わない、という悪徳業者がいるのも事実です。そのため、大金が稼げることを大々的にPRして在宅ワーカーを集めているような会社の誘い文句には乗らない、など自分の“嗅覚”で会社を選ぶスキルも問われます。
また「納品して終わり」ではなく、お金の回収までがフリーランスの仕事であると肝に銘じておくことも大切です。未払いの問題が起きるだけで時間もエネルギーも消耗しますので、お金のことについては毅然とした態度で進めましょう!

税金トラブル
確定申告書の不備は、税務署の相談窓口で相談することで、書き方などの指導をしてくれますので、まずは税務署に相談するとよいでしょう。
商工会議所などでセミナーが開催されていることもありますので、事前対策としてセミナーに参加して知識をつけるのもよいかもしれません。
フリーランスとしての本業に忙しくて、会計や税務についての知識をつける余裕がない方は、税理士などの専門家に、会計や確定申告を依頼するという方法もあります。

ツール・サービス
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クラウドサイン
リンク:https://www.cloudsign.jp/
クラウド上で簡単に契約書を作成し、お互いに取り交わすことができます。
サービスが二者の間に入っているため、対等な立場で契約を行うことができます。

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